大学を卒業し歯科医師になってからこれまで、数多くの患者様や歯科医師の仲間と出会いました。長年歯科に携わってきて、私はいろいろな先生が「患者様のた めに治療する」と言われていることに違和感を覚えるようになりました。一昔前なら悪くなった歯を削ったり詰めたりという、一方的な治療でしたから、痛みを 訴える患者さんを少しでも早く楽にしてあげられるよう、「患者様のために」治療をすることが歯科医師の使命であり美徳でした。
ですが今や長い人生、ご自身の歯をぎりぎりまで健康で長持ちさせるために、患者様と歯科医師が一緒になって治療やメンテナンスを行う時代となりました。二 人三脚で健康を守っていくためには歯科医師と患者様が同じ土俵に立たなければならないと私は思うのです。ですから、「患者様のために」という言葉が、「患 者様のために治療するのだから専門的なことは歯科医師に任せておきなさい」という上から見下ろす姿勢のように感じられ、違和感を覚えたのだと思います。
私が目指す『患者様の立場に立った診療』とは、患者様と同じ目線で十分なコミュニケーションをとり、専門用語などを使わず分かりやすくご説明しご納得いただいた上で治療を行うことです。そのために次のような取り組みを徹底しております。
・ | 治療内容をご説明し、ご理解いただくまで診察台を倒しません(治療を開始しません) |
・ | tell(説明して)、show(器具、機械を見せて)、do(治療する)の三大原則をお子様にも大人にも行います |
・ | 専門用語を出来る限り使わず、わかりやすい資料などを用いて患者様の理解を深めるよう努めます |
■『心和む空間づくり』を行っています。
歯科医院へ訪れる方のほとんどが、本当は来たくないけれど歯が痛くて仕方なく来院されます。重い足取りでエントランスに入ると、聞こえてくる独特の金属音
と消毒のニオイ。診察台に座る前から不安と恐怖で体が強ばる・・・。そんな経験をお持ちの方も少なくないと思います。
当院では、患者様が緊張や恐怖感から解放され心安らいでいただくための工夫として、心和む待合室の演出に力を入れています。壁紙はマイナスイオンが放出するものを使い、
間接照明を利用したやわらかい空間作りをしています。ウォーターサーバーは夏真っ盛りの時期に疲れた体を潤しますし、空気清浄機がイヤなニオイの除去に活
躍しています。
■院長もスタッフも『楽しくなければ仕事じゃない』
私自身、歯科医師という職業に就いているわけですから、院内が1日の中で一番長い時間を過ごしています。私は昔からこの「人生で一番長い時間を過ごす場
所」でストレスをためて仕事をするのは嫌だと考えていました。ですから私はスタッフも含めて、この仕事を存分に楽しむつもりです。
そのためには、私自身が数多くの専門知識や技術を習得し、患者様へさまざまな治療方法をご提案し、患者様がご自分で選択された治療を行っていくことが第一だと考
えます。こうして治療が終わったとき、患者様から「ありがとう」と感謝の言葉をいただく・・・これが一番の楽しみです。
スタッフとのチームワークも大切です。全員がこの仕事にやりがいをもって楽しく取り組むことで、患者様に心のこもったおもてなしができると考えています。